2026/09/14
1949年にソ連で制式採用された国を象徴するライフル「シモノフSKSカービン」【無可動実銃】
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この1挺は戦うために作られてきた本物の銃だ。
数奇な運命に導かれ、今はこの日本という平和な地で静かに眠っている。
発射機構を排除され魂を抜かれても、その銃の魅力が廃れることはない。
時代と共に歩んだ歴史を、培われた技術体系を銃はその身を持って示してくれる。
その姿は銃に魅了された我々に新たなる知見をもたらすことだろう。
さあ、今回も無可動実銃のことを語ろう……。
ソ連からの贈り物
ソ連が誇る自動小銃といえばAKシリーズであることに異論はない。しかしこのAKより前に採用されたのがシモノフSKSカービンである。7.62mm×39弾(M43弾)を使用する小火器システムとして開発された新型小銃として1949年に制式採用された。当初はAKよりも優先して生産されたが、AKの生産が軌道にのるとシモノフSKSカービンの生産は縮小され、共産圏の各国へとライセンス権を移した。特に中国にはSKSの製造機械や未完成部品の多くが売却されて56式となり、発展型の63式まで製造されている。
西側には不要となったものが安価なスポーツライフルとして輸入されたほか、戦地で鹵獲されたSKSはAKとは違いフルオート機構がないので持ち帰ることが可能であったため記念品として人気が高かった。SKSカービンは完成した時には時代遅れであったが、堅実な設計は東西両陣営問わずに愛されることになるソ連からの贈り物となったライフルだ。
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- 全長:1,020mm
- 口径:7.62mm×39
- 装弾数:10発
- 価格:¥440,000
- 商品番号:【9785】
失敗から生み出された堅実なライフル
SKSカービンの生みの親であるセルゲイ・シモノフはモシンナガンの弾薬である7.62mm×54R弾を使用したAVS-36自動小銃を設計した技師で、ソ連の自動小銃の開発に心血を注いだ人物でもある。AVS-36は失敗に終わったが、その後も開発を進め自動装填式対戦車ライフル、シモノフPTRS1941を経て、スケールダウンしたものがSKSカービンとなった。SKSカービンはAVS-36の失敗を基に開発されたためにクラシックな設計を用いた。給弾不良の原因の一つとなっていた脱着式マガジンをやめ、モシンナガンのような固定式のマガジンを採用。ライフルストックや銃剣の装備などモシンナガンからの変更をおこなっても混乱を起こさないようになっていた。このことは軍の近代化スピードが遅い共産国やゲリラには好都合であった。作動方式はガス圧利用式で、バレル上部にショートストローク式のガスピストンとティルティングボルト方式により確実な作動を実現した。この内部機構はシモノフPTRS1941で効果が実証されていた方式であり、戦後のソ連製自動小銃の基礎の一つとなった。ドイツが使用したMP43はソ連に大きな影響を与えており、AKなどはMP43の影響を強く受けている。
一方でSKSカービンは、第二次世界大戦以前に実用化された各種自動小銃と同様の形状となっており、独立したグリップや着脱式弾倉は備えなかったことで、時代に取り残された印象があった。実際にはAKと同一の弾薬を使用でき、カートクリップだけで装填できることから、後方部隊や二線級部隊等では1980年代後半から1990年代初頭まで使用され続けるなど、十分な活躍を果たした。最強のアサルトライフルであるAKとの競争には敗れたが、SKSカービンは堅牢な設計で性能が劣っていた訳ではない。現在でも式典などで見られる儀仗隊で使用されるなど国を象徴するライフルなのである。
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TEXT:IRON SIGHT
撮影協力:ビレッジワン
この記事は月刊アームズマガジン2026年10月号に掲載されたものです。
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