2026/09/09
オールド・モデルガン・アーカイブ:発火天国!ブローバックレボリューション 画期的ブローバック4選【後編】
モデルガンは発火させるのが面白い。リボルバーを豪快にぶっ放すのも良いが、オートマチックのブローバックでカートリッジを弾き飛ばしながら反動を味わうのも痛快で楽しい。今回はそんな快感ブローバックの歴史を作った革命的モデルガンを4挺ご紹介したい。
マルシン
ワルサーP.38ショートリコイルBLK (1980年)
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ショートリコイル・ブローバックモデルガン第1号!
プラスチック製モデルガンを各社も作り始めた1980年、マルシンは業界もファンも驚かす革命的モデルガン、ワルサーP.38ショートリコイルBLKを発売した。
革命的とする理由は2つある。1つは、斬新な「プラグファイヤー・カートリッジ(PFC)式ブローバック」が搭載されていたこと。そしてもう1つは、その名のとおりショートリコイルを組み込んだこと。
PFC方式ブローバックは、デトネーターに相当するパーツを個々のカートリッジ内に持つシステムで、マルシン社員だった池谷立美(いけがやたつみ)さんが考案し、六研の六人部登(むとべのぼる)さんが改良、完成させたものだ。当時の主流だった平玉紙火薬は燃えカスが多く汚れやすかったため、デトネーター方式では連続して撃てる数が限られていた。ところがPFC方式は閉鎖されたカーリッジ内で発火するため(そこから閉鎖系などとも呼ばれる)銃本体の汚れが少なく、カートリッジさえあれば100発、200発と撃ち続けることができた。そして大きいパワーを生み出すので反動も強く、豪快なブローバックを楽しむことができた。
ショートリコイルは、もちろんロックのない擬似的なものだったが、それまでは快調に作動させるためバレルは固定のストレートブローバックが当たり前。ところがショートリコイルを持ち込むと、バレルの位置がリアルになりカッコよくなった。これも池谷さんの考案だった。今ではほとんど当たり前になってしまったが、当時は本当に画期的でコロンブスの卵的発想と、誰もが驚かされた。
ワルサーP.38ショートリコイルBLKは発売されるやたちまち大ヒットとなった。そしてマルシンの名を広く知らしめるとともに、当時業界トップシェアを誇ったMGCのライバルへと一気に高めた。まさに革命が起きた瞬間だった。
DATA
主材質:耐衝撃ABS樹脂
撃発機構:シングル/ダブルアクションハンマー
発火機構:前撃針/ファイアリングプレート
作動方式:プラグファイヤー方式ブローバック
カートリッジ:クローズドタイプ(PFC)
使用火薬:平玉紙火薬3粒またはキャップ火薬1発
全長:215mm
重量:445g
口径:9mm
装弾数:8発+1(薬室内)
発売年:1980年
発売当時価格:
12,000円(カートリッジ8発付き、のちに7,300円くらいまで値下げされた)、
木製グリップ6,000円
※コマーシャルタイプとミリタリータイプがあり、のちにロングバレル、ショートバレルも発売された。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
MGC
M-16A1 (1982年)
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CP方式ブローバックモデルガン第1号!
マルシンがワルサーP.38ショートリコイルBLKで大ヒットを飛ばした1980年ころ、MGCもS&WのM-59で大ヒットを飛ばしていた。ダブルスタックマガジンの15発を高速連射で一気に撃ち尽くすことも可能だった。超快調で、デトネーター方式ブローバックは頂点を極めていたと言っても良いだろう。1979年に発売されたキャップ火薬も、詰めるのが簡単で汚れも少なく、1980年にはコクサイもマルシンも自社製キャップ火薬を発売するなど、業界標準となりつつあった。
そんな中、MGCで新たにM1&M2カービンに続くプラスチック製長物第2弾として、そしてキャップ火薬を使う長物ブローバック第1弾として、人気のアサルトライフルM-16A1を作ることになった。
ただキャップ火薬1発でアサルトライフルを快調ブローバックさせるとなると、さすがにデトネーター方式では難しいものがあったらしい。小さなカートリッジで小振りなM1カービンでも平玉紙火薬が5粒も必要だったのだ。そこでMGCでも大きなパワーが得られる閉鎖系ブローバックが使われることになった。実は、MGCはVP-70用に閉鎖系ブローバックの研究を重ねていたという。そんな中からM-16A1に使えるものとして、空キャップをピストンとして使うものが採用され、キャップピストン(CP)方式ブローバックと名付けられた。
この方式はとてもコストパフォーマンスに優れ、扱いやすく、大きなパワーも得られたことから、その後、デトネーター方式を置き換え、多くのブローバックモデルに採用されることになる。そして後にキャップをOリングに変えたCP-HWとなり、より大きなパワーが得られる方式として、現在にもつながる閉鎖系ブローバックの基礎を築いた。その元祖こそがMGCのM-16A1だったのだ。
DATA
主材質:スペシャルグレード耐衝撃性ABS樹脂
撃発機構:ハンマー、セミ/フル切り替え式
発火機構:前撃針(デトネーター)/ファイアリングブロック
作動方式:CP方式ブローバック
カートリッジ:Cal.223-CP(9.5×45)、クローズドタイプ、ボトルネックド
使用火薬:MGキャップ7mmBLK
全長:980mm
重量:2.3kg
口径:5.56mm
装弾数:20発(ボックスマガジン。30発バナナタイプマガジンは別売)
発売年:1982年
発売当時価格:22,000円(カートリッジ別売)
付属品:ローダーセット、ダミーカート、ブランクキャップ、綿棒
オプション:
カートリッジ10発1,800円、
2.5倍ライフルスコープ(マウント、アイピース付き)3,900円、
スリング1,500円、30連マガジン2,500円
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2026年10月号に掲載されたものです。
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