エアガン

2026/09/08

オールド・モデルガン・アーカイブ:発火天国!ブローバックレボリューション 画期的ブローバック4選【前編】

 

 モデルガンは発火させるのが面白い。リボルバーを豪快にぶっ放すのも良いが、オートマチックのブローバックでカートリッジを弾き飛ばしながら反動を味わうのも痛快で楽しい。今回はそんな快感ブローバックの歴史を作った革命的モデルガンを4挺ご紹介したい。

 

 

ナカタ

シュマイザーMP40 (1968年)

 

ナカタ製 シュマイザーMP40
※MP40をシュマイザーと呼ぶのは間違いとされていますが、ここでは当時のモデルガンの商品名に従って表記しています。

 

量産されたブローバックモデルガン第1号!

 

 モデルガンの世界で、1968年はブローバック元年と(一部の人たちに)呼ばれている。この年に初めて玩具火薬の力で安全に自動作動するブローバックモデルが発売されたからだ。
 それは2つのメーカーから始まった。ナカタ(中田商店)とMGCだ。偶然にもモデルは同じMP40。しかも試作段階ではどちらも前のモデルに当たるMP38だったというのだから面白い。
 発売はナカタのほうが数カ月から半年ほど早かったとされる。モデルガンで実銃のようにカートリッジをまき散らしながら連射できると大いに注目された。その作動方式が国本圭一(くにもとけいいち)さん考案によるパワーシールブローバックだ。カートリッジによって密閉された状態のチャンバー内で発生した発火ガスでカートリッジ(とボルト)を吹き戻す。そのため、発火ガスの吹き戻しで次弾が誘爆しないよう対処する必要はあったが、MGCのデトネーター方式の半分ほどの平玉紙火薬3粒で作動した。
 遅れて発売されたMGCのデトネーター方式ブローバックのほうがより広く受け入れられたことから、主流となることはなかったが、ブローバック発展の大きな礎となったことは間違いない。

 

ボルトをコックした状態。コストと安全性を考慮して、薄いボディも亜鉛合金で再現していた。セーフティスロットには安全を意味するSの文字

 

安全対策として、銃身取り付け基部、いわゆるトラニオン(パーツ名はシリンダーブロック)を樹脂製にした

 

チャンバーとカートリッジの基本的な形状はスタンダードとブローバックで同じだったが、ブローバックにはタイトな公差の高精度なものが使われた

 

 DATA 

主材質:亜鉛合金ダイカスト、ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:オープンボルト
発火機構:前撃針
作動方式:手動/パワーシールブローバック(フルオート)
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬3粒(ブローバックも同じ)
全長:83cm(縮小時63cm)
重量:4kg
口径:9mm
装弾数:32発(初期モデルは15発)
発売年:1968年6月(ブローバックは8月)
発売当時価格:

 スタンダード 9,800円、

 ブローバック 10,800円(各カートリッジ15発付き)
専用アクセサリー:

 サイレンサーA 1,000円、マズルブレーキA 800円、マズルブレーキB 800円、

 マズルブレーキC 800円、弾倉 900円、布ケースS 1,200円、

 布ケースD 1,400円、布弾倉入れ(2本) 400円

 

※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 


 

MGC

SIG M SP47/8 (1972年)

 

MGC製SIG M SP47/8

 

プラスチック製ブローバックモデルガン第1号!

 

 モデルガンのブローバックはMGCのデトネーター方式によって広まり、進化した。オートマチックはブローバックでないと売れないとまで言われた人気ぶりだった。ところが1971年の第1次モデルガン法規制によって金属製ハンドガンの銃口を閉塞しなければならなくなると問題が起きた。発火ガスが前方に抜けなくなったため、チャンバー内のデトネーターに汚れが付着して、数発撃っただけでカーリッジがツッコミを起こして抜けなくなるなどのトラブルが頻発したのだ。うまくいっても1マガジン撃てるかどうか。せっかくのブローバックモデルガンの人気も一気にトーンダウンし、業界は法規制対象外の長物(ながもの:カービンやサブマシンガンなど)へとシフトしていった。
 そんな中、法規制対象外となるプラスチック製モデルガンという新しい方向性を打ち出したのがMGCだった。当時のプラスチック製品は、安っぽい(オモチャっぽい)、すぐ壊れるといったイメージがあったため、設計を手がけた小林太三(こばやしたぞう)さんはそれらを覆すべく工夫を凝らした。実銃の外観を忠実に再現しつつ、火薬を使ってブローバック作動が楽しめるオートマチックピストルを作ったのだ。強度もあってガンガン撃って遊べる。しかも価格は当時の金属製ブローバックピストルの半額くらいの設定。これなら子供でもどうにか手が出せた。
 狙いどおり、SIG SP47/8(P210)は大ヒットとなった。特に初心者のウケが良く、モデルガン、特にプラスチックモデルガンの普及に大きな役割を果たした。もっとマニアックなファンの心を掴むまでにはまだまだ時間と進化が必要だったが、それでも道は切り拓いた。今のプラスチック製トイガンは、すべてこのSIG SP47/8のおかげと言っても過言ではないのではないだろうか。

 

プラスチック製のお手頃価格のモデルガンでも、反射防止のセレーションなどがキッチリとシャープに再現されている

 

フロントサイト同様リアサイトもスライドと一体だが、別部品に見えるように微妙な段差が付けられている

 

バレルは固定のストレートブローバックとされた。作動は快調で、平玉紙火薬1粒でも作動した

 

撃発機構は部品点数を減らすためMGC独自の引き落とし式とし、ピンやスプリング以外わずか3点で成立させている

 

 DATA 

主材質:硬質プラスチック(ABS樹脂)
撃発機構:シングルアクションハンマー
発火機構:前撃針/ファイアリングピン
作動方式:デトネーター方式ブローバック、後にCP方式ブローバック
カートリッジ:オープンタイプ(後にインナー式、そしてCPカートリッジ)
使用火薬:平玉紙火薬(のちに5mmキャップ)
全長:215mm
重量:300g
口径:7.63mm
装弾数:8発
発売年:1972年
発売当時価格:4,900円、カートリッジ別売り(24発入り1箱350円)

 

※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 


 

※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。

 

TEXT&PHOTO:くろがね ゆう

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年10月号に掲載されたものです。

 

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