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2026/04/03

【気鋭作家×HOBBY JAPANコラボレーションナイフ企画】 石崎祐也 ISZナイフ

 

気鋭作家×HOBBY JAPANコラボレーションナイフ企画

 

石崎祐也 ISZナイフ

 

 「気鋭作家×HOBBY JAPANコラボレーションナイフ企画」の各作家にクローズアップ。ナイフと作家へのご理解を深めていただければればと思う。

 

兵庫県にある工房で制作に没頭する。GUERRILLAなど新シリーズも展開する

 

「自分が本当に持ちたくなるナイフをつくってみたくなったんです」

 

 「あのナイフが全ての基礎になっています。私の感覚では、自分のナイフはいずれもあのモデルのアレンジ、という認識なんです」


 石崎祐也さんがそう振り返る『あのナイフJとは、2022年の第37回JKGナイフコンテストに出品した「ISZ 412V-T」。そっけない見た目である。だが、「あらゆる環境で使用できる高性能ナイフ」と本人がアピールするように、汎用性の高いブレードデザインや、複数の素材を組み合わせたハンドルは、実用を追求するというテーマに対して一定以上の成功を収めていることが感じとれた。
 受賞こそならなかったものの、審査員の間で「期待のつくり手が出現した」ことは話題になった。


 「あえて言葉にすると『究極の実用ナイフ」をつくりたいという思いでした。お披露目のつもりで応募させていただき多くの方の目に触れることで、私なりに手応えも得ることができました。もちろん、用途やオーダーに合わせてデザインや仕様、使う素材も変えています。ですが、現在に至るまで、私のナイフづくりの基礎は変わっていません」
 そう語る石崎さんは、ナイフを作り出してまだ5年ほどの新鋭である。それまでは、大手メディアの営業、ジョージアでの自動車関連の技術者といった職を経て、ナイフ販売業を行っていた。仕事自体は順調だった。だが、心のどこかに「引っ掛かるもの」があった。


 「自分が本当に持ちたくなるナイフをつくってみたくなったんです。ナイフには仕事として向かい合っていたのですが、見たり調べていくうちにだんだん興味が湧いてきて。『あ、オレ、ナイフ好きやわ』って気づいたんです(笑)」
 学生の頃、自衛隊やフランス外人部隊を目指していたという石崎さんだけに、軍用ナイフを重点的に調べていった。その結果、たどり薦いたのが「コンシールドタング」をベースとした丈夫なナイフだった。ブレードタングをハンドル材の中に隠す構造のコンシールドタングは、さまざまな環境下でも安定したグリップやハンドリングができるという特徴がある一方で、タング部分がどうしても細くなるので、ハンドル材にそれを隠さないフルタングと比べて、ブレードの強度にはやや不安が残る。それを解消するためのデザイン、さらにはブレード材選びなどに力を入れていった。

 

2022年の第37回JKGナイフコンテストに出品した「ISZ 412V-T」(写真提供:JKG事務局)

 

最初期のナイフデザイン。この頃から基本のコンセプトはブレることがない


 「何度も何度もデザインのラフ画を描きました。気になったところを修正して、これならいいだろう、となるまで時間をかけて。今も同じプロセスでラフ画には時間をかけています」
 メイキング方法は、動画などを見ながらの独学。それでも約1年でコンテスト応募作をつくるまでになった。

 

 「コンテストの後から、少しずつオーダーを頂戴するようになりました」
 言葉少なに語るが、その後の石崎さんの快進撃はナイフ業界では話題となった。メイキングのための機械類を揃えた。兵庫県にエ房も構え、仕事も「ナイフ作家」をメインとした。だが「ISZナイフ」の人気は凄まじく、現在もバックオーダーが増える一方だ。


 「ご依頼に合わせて、シルエットや装飾のアレンジを加えてきました。ですが実用を追求した頑丈なナイフというテーマは変わることなく、続けてきています」

 

212CK-T

 

212CK-T
全長:232mm
ブレード長:120mm
ブレード厚:2.9mm
ブレード材:VANAX SUPER CLEAN
ハンドル材:ブラックアナダイズドチタン
価格:¥92,400(税込)
専用シース付属(レザーの色味は黒になります)

 

フルタング構造を採用。ブレードをハンドル材が挟み込み形で、頑丈さが確保される

 

ブレードバックの角の取り方などブレード処理のディテールは見飽きることがない

 

石崎さんの「ISZナイフ」にはどれも夕フネスさと使いやすさが共存している

 

 今回のコラボモデル「212CK-T」は、そんな石崎さんが提案する「包丁」をモチーフにしたアウトドアナイフだ。水回りで使うケースが増える代わりに、タフな環境下で使うケースは幾分か減る。そんな使用シーンを想定した結果、あえて「フルタング」構造を採用したモデルとなった。

 

 「ホビージャパンという『趣味』とともにあることの魅力を伝えてきた出版社とのコラボであることを考えて、『楽しさ』を前面に押し出したモデルにしたっもりです。このナイフがあることでキャンプをはじめとするアウトドアをより豊かに楽しんでいただければ、という思いで作らさせていただきました」
 その言葉どおり、しっかりした重さと適切な重量バランス、取り回しのしやすいブレードシェイプといった基本を抑え、さらにブレードバックの角の取り方などに気を配ることで、さまざまな人が安心して使える「ナイフ」となっている。

 

 もちろん、ハンドルにチタンを使用してシャープかつ近未来を感じさせるデザインに、なおかつ硬度と靱性が高いVANAX SUPER CLEANをブレード材に採用することで、実用を追求し続ける「ISZナイフ」らしさは十分に保たれている。

 

 「初めての方にも「ナイフ』の魅力を感じていただければ、嬉しいです」

 石崎さんは最後にそう強調した。

 

石崎祐也さん。ナイフを作り出したのは約5年前。30代後半からのスタートだった

 

212CK-Tのご購入はこちらから

 

構成:服部夏生(刃物専門編集者)

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年3月号に掲載されたものです。

 

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