2026/03/13
オールド・モデルガン・アーカイブ:金属リボルバー対決「vs 1979年ローマン」
人気モデルはよく競作になる。かつて金属モデルガンの時代にも競作となったモデルは数多い。そんな中から、興味深いリボルバーを3機種選び、対戦形式で比較してみることにした。
第3ラウンド
vs 1979年ローマン
ハドソン コルトローマンMkⅢ(1979年)
オフィシャルポリスMKⅢ
御子柴版コルトMKⅢリボルバー!
1975年、MGCがプラスチックモデルガンの大ヒット作、ガバメントBLK、.44マグナムM29に次いで発売したのがコルト・マークⅢリボルバーのローマンとトルーパー。モデルガンとしてユニークなメカニズムと、確実な作動と発火、そして高い耐久性などから、これもまた大ヒットとなった。日本のTVや映画でも使われ、たちまち多くの人に知られることになった。
その後、1977年に第二次モデルガン法規制が施行され、スチールプレス製や銃身分離タイプの金属製モデルガンが禁止されたことで、多くのモデルガンが姿を消すことになった。これでモデルガンを止めてしまった人も多く、モデルガンの売り上げも大幅に落ち込んだとされる。そこでモデルガンのプラスチック化に一層拍車がかかることになったわけだが、モデルガンは金属製でなければならないという人もまだまだ相当数いたらしい。
ハドソンは、MGCのローマン人気からこれを金属で作ればヒットするだろうと考え、フリーのモデルガンデサイナー御子柴一郎(みこしばいちろう)さんに設計を依頼した。
御子柴さんはまず、MGCのローマンが初期型をモデルガン化していたので、エジェクターシュラウドの付いた後期型をモデルガン化することにした。そしてMGCのローマンを参考に、パーツ形状をより実銃に近付けるとともに、ファンが指摘していた残念な部分をリアルにすることにした。つまり、サイドプレートの銃口側のカットを斜めにし、使われていたねじをすべてマイナスねじにした。
ただ、商品としては発売を急いだあまり、後加工や組み立てに精度のばらつきがあった。そのため作動の滑らかさなどで個体差が大きく、評価も人によってまちまち。思ったほどのヒットとはならなかったようで、その後ハドソンは金属ハンドガンをしばらく封印することになってしまう。
DATA
主材質:亜鉛合金
撃発機構:シングル&ダブルアクションハンマー
発火機構:カートリッジ内発火
カートリッジ:ねじ込み、インナーロッド方式
使用火薬:平玉火薬、のちに7mmキャップ
全長:
ローマン 7-1/4インチ(2インチ)、7-3/8インチ(4インチ)
オフィシャルポリス 7-3/8インチ
重量:
ローマン 460g(2インチ、実測約755g)、510g(4インチ、実測約843g)、
オフィシャル・ポリス 500g
口径:.357マグナム(オフィシャルポリスは.38スペシャル)
装弾数:6発
発売年:1979年
発売当時価格:
ローマン 2インチ6,500円、4インチ6,800円、
オフィシャルポリス6,800円(各カートリッジ6発付き)
オプション:カートリッジ1発150円、木製グリップ2,400円、木製オーバーグリップ3,500円
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
コクサイ コルト・トルーパー/ローマンMKⅢ(1979年)
トルーパー 4インチ、6インチ
ローマン 2インチ、4インチ
岡田版コルトMKⅢリボルバー!
国際産業は、専門誌1979年10月号で、ブランド名をコクサイとすることを発表した。そして翌11月号で金属製のコルト・マークⅢリボルバー、トルーパーの広告を開始した。ほぼハドソンのローマンと同時だった。コクサイのローマンが発売されたのは、それから4カ月ほど後のこと。おそらくトルーパーとローマンは同時進行だったのだろう。しかしハドソンでも金属製ローマンが進行中であることを知ったコクサイは、ローマン同士がバッティングするのを避け、トルーパーを先に発売することにしたらしい。
当時、コクサイで設計を手がけていたのは岡田節雄さんだったので、おそらくマークⅢシリーズも岡田さんの設計だと思われる。そして、この頃からコクサイはプラスチックと金属で同じモデルを作るという商品展開を行なっており、マークⅢシリーズもプラスチックと金属の両方で作られることになった。そしてハドソン同様、MGCのマークⅢシリーズを参考に、ファンから指摘されていた部分をリアルにし、外観がMGCと同じにならないよう後期型とした。しかしシリンダーは初期型の個別のカウンターボアードで、チグハグな仕様となったのは残念だった。一方メカニズムは、実銃自体がもともと焼結金属パーツやコイルスプリングを多用した量産に向くものだったが、コクサイはさらにオリジナルの工夫を加え、コストダウンを図っている。しかもプラスチックモデルとパーツが共通だったことから、さらにコストダウンできたはずだ。残念ながら岡田さんにお話を伺うことができなかったのでこれらは推論にすぎないが、それほど間違ってはいないと思う。
ハドソンとコクサイ、どちらのマークⅢリボルバーが売れたのか明らかではないが、コクサイもこの後しばらく金属ハンドガンを作ることはなかった。
DATA
主材質:亜鉛合金、強化ABS黒(グリップ)
撃発機構:シングル&ダブルアクションハンマー
発火機構:シリンダー内前撃針
カートリッジ:スプリング内蔵インナーロッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬、のちに5mmキャップ
全長:
トルーパー4インチ約237mmm(実測)、トルーパー6インチ約287mm(実測)、
ローマン2インチ17.8cm(実測約182mm)
重量:
トルーパー4インチ 約909g(実測)、トルーパー6インチ 約999g(実測)、
ローマン2インチ 770g(実測約755g)
口径:.357マグナム
装弾数:6発
発売年:1979年
発売当時価格:
トルーパー4インチ 7,500円、トルーパー6インチ 7,800円
ローマン2インチ 6,800円、ローマン4インチ 7,200円
(各カートリッジ6発付き)
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
※拳銃型の金属製モデルガンは、1971年の第一次モデルガン法規制(改正銃刀法)以降に販売されためっきモデルであっても、経年変化等によって金色が取れると銀色と判断されて規制の対象となることがあります。その場合は黄色や白色、または金色の塗料を塗るなどの処置が必要です。
TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2026年4月号に掲載されたものです。
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