2026/02/10
オールド・モデルガン・アーカイブ:基準を作った金属リボルバー6選【後編】
基準を作った金属リボルバー6選
モデルガンの歴史の中で、それ以降の流れを変えてしまうような画期的な製品が発売されることがある。するとその製品は新たな基準(スタンダード)となる。今回はそんな新たなスタンダードとなったモデルを、過去の金属製リボルバーの中から6機種選んでみた。
ハドソン コルト・リボルバーM1917 Cal.45(1977年)
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コルト・ダブルアクションの新スタンダード!
1975年、MGCがプラスチックリボルバーのローマン/トルーパーのMk.IIIシリーズで、ほぼ実銃に準じた「フルメカ、フル機能」を実現した。続く1976年、CMCが金属リボルバーのM-27/M-29で、これもほぼ「フルメカ、フル機能」を実現した。
このタイミングで次の新製品を模索していたハドソンは、六人部 登さんと相談して、あえて真っ向勝負を避け、クラシックなリボルバー、コルトの.45口径M1917を作ることにした。その辺がハドソンらしいといえばハドソンらしいのかもしれない。メインストリームを外すような傾向が見られるようになってきたのがこの頃だ。
当時は徐々に模型志向が高まり、実銃に準じたリアルなモデルガンが主流になりつつあった。特に発火より質感やメカニズム、美しさなどを楽しむ金属モデルではその傾向が強い。当然、M1917も「フルメカ、フル機能」でなければならなかった。
そしてM1917は、初めてコルトの安全機構、ポジティブロック(セーフティ)を再現し、クレーン(S&Wのヨーク)のスクリューがロックと二重になっているのも再現、ハーフムーンクリップも再現した。しかも精度を出すためハンマーピンとトリガーピンは、CMCのM-27/M-29のトリガーピンと同様、別部品で後から組み付けられていた。
このM1917は、これ以降のコルトのダブルアクションのリファレンスとなるはずだったが、人気の中心はプラスチックとオートマチックに移って行ったため、同系メカニズムの金属コルト・ダブルアクションが作られるのは、1986年、コクサイの「フルメカ、フル機能」の金属パイソンまで待たなければならなかった。ある意味孤高の存在だった。
DATA
主材質:亜鉛合金
撃発機構:シングル&ダブルアクションハンマー
発火機構:シリンダー内前撃針
カートリッジ:インナーロッド方式(のちにスプリング式可動タイプ)
使用火薬:平玉紙火薬1粒
全長:273mm
重量:1,133.10g
口径:.45ACP
装弾数:6発
発売年:1977年
発売当時価格:8,500円(カートリッジ6発付き)
オプション:カートリッジ1発130円、クルミ材木製グリップ2,200円、グリップアダプター300円
※smG仕様以前のモデルは販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
ウエスタン アームズ
ルガー・ニュー・モデル・スーパー・ブラックホーク44マグナム(1978年)7.5インチ、10インチ
ルガー・シングルアクションの頂点!
以前も取り上げたように、ウエスタン アームズ(WA)のニュー・モデル・スーパー・ブラックホークは、その当時の金属モデルガンの頂点に立つようなモデルガンだった。
もともとWAは、モデルガン黎明期に江原商店(後のCMC)が作ったマテル45ベースのカスタムだったブラックホークを除いて、日本で最初にブラックホークとスーパーブラックホークを作ったメーカーだった。ただそれは亜鉛合金ダイキャストによる量産モデルガンではなく、真ちゅうを使った高級限定カスタムだったため、ごく限られた人しか手にすることができなかった。
それでも、それらは各社の量産モデルガンのアレンジベースとされ、マグナムブームの一翼を担うことになった。
そしてWAでも金属の量産モデルガンでブラックホークを作ることになり、同じモデルではなく1973年に発売されたばかりのニューモデル・スーパーブラックホークが選ばれた。
トリガーを引いていない限りハンマーが落ちても撃発が起こらないトランスファー・バー・メカニズムも、ローディングゲートを開けるだけでシリンダーのロックが解除されるメカニズムも、すべて正確に再現されていた。しかもカスタムモデル並みのタイトな製造公差で製作され、表面仕上げも群を抜く美しさ。間違いなく当時のトップレベルのクオリティ。それなのに価格もそれほど高くなかった。
これがその後の金属モデルガンのスタンダードとなるはずが、プラスチック化の波に飲み込まれ、続くものは作られなかった。WA自身、このモデル以降、金属モデルガンを作っていない。現在でも充分に通用するモデルガンだと思うが、すでに金型はなく、二度と作ることができないというのがなんとも残念だ。
DATA
主材質:亜鉛合金、発泡ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:シングルアクションハンマー
発火機構:カートリッジ内発火
カートリッジ:インナーロッド方式
使用火薬:平玉紙火薬1〜3粒
全長:33.65cm(7.5インチ)、41.50cm(10インチ)
重量:1,358g(7.5インチ)、1,440g(10インチ)
口径:.44マグナム
装弾数:6発
発売年:1978年
発売当時価格:
7.5インチバレル 8,500円(カートリッジ6発、木製グリップ、ガンケース付き)
10インチモデル 9,500円(カートリッジ6発、木製グリップ、ガンケース付き)
DXタイプ7.5インチバレル 15,000円(カートリッジ6発付き)
DXタイプ10インチバレル 16,000円(カートリッジ6発付き)
オプション:専用木製グリップ 2,500円、ガンケース 4,500円
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
※拳銃型の金属製モデルガンは、1971年の第一次モデルガン法規制(改正銃刀法)以降に販売されためっきモデルであっても、経年変化等によって金色が取れると銀色と判断されて規制の対象となることがあります。その場合は黄色や白色、または金色の塗料を塗るなどの処置が必要です。
TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2026年3月号に掲載されたものです。
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