実銃

2026/11/04

【実銃レポート】スミス&ウェッソンM&P9 M2.0 メタル【Gun Pro A.T.】

 

 

M&P9 Metal Full Size
■口径:9×19mm
■全長:188mm
■銃身長:108mm
■全高:140mm
■全幅:33mm
■重量:851g
■撃発機構:シングルアクション ストライカー
■マガジン装弾数:17発
■メーカー希望小売価格:$949

 

 

 アメリカを代表する銃器メーカー、Smith & Wesson(S&W)が、デューティガン市場の主力ハンドガンとして展開しているのが、M&P(Military & Police)シリーズの第2世代“M2.0”だ。
 初代M&Pは2005年7月にネット上でその存在が明らかになった。早いものでそれからもう21年のも時間が経過している。
 同年末に先行出荷が始まったM&Pは高い評価を獲得し、それ以降、マイクロコンパクトから大口径モデルまで幅広い派生モデルを展開、2017年1月には、第二世代となるM2.0が登場した。そして現在ではS&Wのハンドガンラインを支える中核的な存在となって、デューティガン市場はもとよりキャリーガンや競技分野においても大きな存在感を放っている。
 かつてS&Wは、トラディショナルダブルアクションのメタルフレームハンドガンの分野で、然るべきポジションを獲得していた。モデル39/59から始まり、サードジェネレーションに至る一連のS&Wオートは、数多くの公的機関にも採用され、一般市場でも人気があった。
 しかし、ストライカーファイアードのポリマーフレームハンドガンの時代に移行すると、S&Wは完全に失速してしまう。同社が手掛けたポリマーフレームの第1号製品シグマ(SIGMA)で大きくつまずいたのだ。
 それ以降、長く険しい低迷の時代が続く。しかし、S&Wはそこから這い上がるべく、2002年より研究開発を開始した。その成果であるM&Pは、S&Wの伝統を受け継ぐ、現代的なデューティガンとして高く評価されるようになった。
 その後、時代の進展とともに市場のニーズも大きく変化し、M&Pシリーズもセラコート仕上げやオプティックレディ仕様など、ユーザーの要求に合わせてより多様なバリエーションを構築していった。そんな中、他社も含めて注目されるのがポリマーフレームで設計されたモデルにあえて金属フレームを組み合わせるという、いわば“先祖返り”ともいえるメタルフレーム仕様の登場だ。
 軽量で錆びにくく、生産性やコスト面にも優れ、衝撃吸収性やメンテナンス性にも利点を持つポリマーフレームを、セミオートハンドガン市場は20年以上に亘って追求してきた。しかしその結果、ポリマーフレームが完全に普及・成熟し、各社から似た方向性の製品ばかりが供給される状況となっている。そこで新たな選択肢として存在感を増してきたのが、アルミ合金やスチールといった金属フレームなのだ。
 M&Pの場合、基本設計やエルゴノミクスを維持したまま、フレーム素材を変更することで、ポリマーとは異なる重量感や剛性感、射撃特性を得ている。これは単なる先祖返りではなく、成熟したM&Pシリーズに新たな価値を加える展開となった。
 金属フレームならではの重量感は保持した時の安定性を高め、射撃時のマズルライズを抑えることで、素早いフォローアップショットにも有利に働く。また金属特有の剛性感や、冷ややかな質感、表面処理による仕上げの美しさは、ポリマーフレームでは得にくいものだ。ポリマーフレームに飽食気味だったユーザーにとって、こうした金属ならではの存在感は、たまらない魅力だといえる。
 つまり金属フレームは、ポリマーフレームの代替という発想ではなく、軽量性よりも射撃時の安定性や重量、剛性感を高めた別の選択肢なのだ。
 S&Wは2022年より、アルミ合金製フレームのM&P M2.0 Metalの供給を始め、その後に様々な派生モデルを生み出している。さらに今年はステンレス製フレームを採用したM&P M2.0 Metal HDもラインナップに加わった。
 今月は、この金属フレーム化によってM&P M2.0がどのように進化したのかを、最もベーシックなフルサイズモデルを中心に詳しく見ていきたいと思う。

 

購入時のパッケージにはアダプタープレート、インターチェンジャブル パームスウェルなどが収まっている。

 

左がM&9 M2.0コンパクト(4インチバレル、15連マガジン、カリフォルニアコンプライアントモデル)のマニュアルセーフティレバー付き、その隣がM&P9 M2.0 Metal、右はM2.0フルサイズ(4.25インチバレル、23連マガジン)。

 

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続きは「月刊アームズマガジン2026年12月号」でどうぞ。

 

 

 

Text & Photos by Yasunari Akita

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年12月号に掲載されたものです。

 

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