トルネード吉田がウエスタン系の長物のエアガンで初心者とベテランユーザーのどちらへも圧倒的にオススメするのがK.T.W.のウインチェスターM1873だ。そのシリーズにランダルのGASモデルが新登場! 早速、入手したので今回は、これを楽しむ!!
2026年8月発売のGASコンバージョンキット(改良型)でお手持ちのK.T.W.のエアコッキング式M1873がガスガンになる! 改良型は本原稿の執筆時点で発売されていないが、今回の記事では前回2024年3月に発売された改良前のガスコンキットをカービンに組み込んで、ショートストロークレバーのラピッドファイアカスタムを作ってみた。これこそが私が夢に見ていたウインチェスターのエアガンだ!!
憧れのラピッドファイア!
Gun好きのウエスタンファンなら、アメリカのCowboy Action Shootingの動画で、ウインチェスター モデル1873をまるでマシンガンのフルオートのような驚愕の速さでババババババババッ!と連射しているところをご覧になったことがあると思う。私が見た動画では、例えば口径.44-40 Winのイタリア ウベルティ製レプリカのモデル1873でマガジンの10発を撃ち尽くすのに、わずか1.55秒とか。スッゲー!と驚くと同時に「私もこんな風にウインチェスターを撃ってみたい!!」というのが夢になった。
実はこのラピッドファイアには仕掛けがあって、レバーのコッキングがショートストローク化されていて、通常よりかなり浅い角度でコッキングできるのだ。そして、このショートストロークカスタムにコンバートできるモデル1873、1866イエローボーイ、ヘンリーライフル用の内部パーツ(トグルリンクとキャリアリフター)のキットが販売されていて、割と簡単に取り付けができるらしい。
日本でトイガンでこれをやろうとすると、まず現行品のウインチェスターのレバーアクションのエアガンがマルシン製のガスガンのM1892と、K.T.W.製のエアコッキング式のM1873くらいしかない(他にはハートフォード製ガスガンのM1866イエローボーイもあるが、久しく再生産されておらず入手困難)。そしてレバーをショートストローク化するにはレバーが1点の中心軸で可動する必要があるため、構造上、モデル1892や1894では難しい(これらは複数の軸でレバーが可動する)。となると必然的にベースとなる銃はK.T.W.のM1873となるのだが、この銃はエアコッキング式で、エアピストンをコッキングする関係でレバーが重く、仮にショートストローク化できたとしても、実銃のようなラピッドファイアは不可能だ。ついでに言うと日本でも実銃のウベルティ1873は猟銃として所持できるが、仮にショートストロークのキットを海外から取り寄せて取り付けたとしても、ラピッドファイアで撃たせてもらえる射撃場なんて日本にないから、やはりカウボーイアクションシューティングのように撃つのは無理。
こんな訳でウインチェスターのラピッドファイアは、日本では叶わぬ夢だった。だがついに、それが夢ではなくなった。K.T.W.が一昨年(2024年)3月に新発売したGASコンバージョンキットによって、エアコッキング式のM1873をガスガンに変更することができ、それをベースとして、ついにショートストロークカスタムのカービンを作ることができたのだ。今回はこれと、6月に新発売されたK.T.W.のランダルのGASモデルを話題にしたい。
日本では「ランダルカスタム」とか「ランダル銃」と呼ばれるバレルとストックを切り詰めてハンドガンタイプにしたウインチェスター銃は、実際の西部開拓時代にはなかったものだ。この銃は1958年から1961年にかけて3シーズンで放映されたTV西部劇『拳銃無宿』(原題:Wanted Dead or Alive)で主人公の賞金稼ぎジョッシュ・ランダル(演:スティーブ・マックイーン)が愛用するカスタムガンとして作られたプロップガンだ。レバーのループも大型化されている。アメリカでは「Mare's Leg」(牝馬の脚)がこの銃の愛称だ。ベースのウインチェスターはモデル1892で、プロップは数挺が用意され、初期はラウンドバレルだが途中からオクタゴン(八角形)バレルになった。ラージループレバーの形状にもいくつか種類があるようだ。2016年の人気西部劇『マグニフィセント・セブン』ではモデル1873のメアズレッグが登場している
トルネード吉田の新しい愛銃
K.T.W.
ウインチェスターランダルGASモデル アイアンサイトカスタム
エアコッキング式のランダルのガスガンバージョンは2026年6月に新発売。ガスガンになってレバーのコッキングが実銃並みに軽くなったため、誰でも気軽に扱える銃になった。命中精度の高さはエアコッキングとほとんど変わらない。私は入手後に、まずは樹脂製のストックを別売のランダル木製ストックセットに交換。雰囲気すばらしい! そして実銃(ライフル銃・散弾銃)で射撃をやる者としては、やはりサイトがない銃はイマイチ使えないので、簡単加工でフロントサイトとリアサイトを取り付けた。これで大満足のお気に入りの愛銃になった!!
早速、TV西部劇『拳銃無宿』のジョッシュ・ランダルっぽい恰好でランダルGASモデルをサバゲに実戦投入してみた。この日は気温も高かったので、弾道・パワー・命中精度はバッチリだった。ハッキリ言ってランダル銃は、かなりクセの強い銃だと思うが、意外にも大活躍できた!! 今回のサバゲは参加者30名くらいだったが、積極的に最前線へ突撃。ヒットもバシバシ!とれて、フラッグゲットも達成!! 銃が軽いのでフィールドを軽快に走り回ることができ、サイトを取り付けたので、時にはライフルのように狙い撃ちもできた。こりゃ、めっちゃ楽しいィィ!!
撮影協力:バトルシティ
GASモデルでは、レシーバー上部の排莢口からガスを注入する。K.T.W.のエアコッキング式M1873は最高だがレバーが重いため、ストックを肩付けできないランダルだけは取り扱いが非常に難しかったので、実は持っていなかった。だがガスガンならまったく問題なし。ランダルGASモデルには前回2024年のロットから改良された新型ガスシリンダーが搭載されているとのことだ。ちなみにランダルGASモデルはスピンコックも可能だ
取り付けたフロントサイトはK.T.W.のM1873ライフルのものを流用。ライフルではバレルにダブテイル(あり溝)で取り付けているが、素人加工ではダブテイルの溝をバレルに切るのは難しいので、フロントサイトの底面を棒ヤスリを使ってバレルの八角形に合わせるかたちで削り込んで取り付けた。エポキシ接着剤で固定もしているが、ドリル&タップでネジを切って長さ6mmのM2のネジで固定した
同じくリアサイトはM1873カービンのものを流用。こちらもサイトの底面を棒ヤスリでバレルの八角形に合わせるかたちで削り込み、バレルにドリル&タップでネジを切って取り付けた。リアサイトの取り付け位置はカービンとまったく同じだ。そしてリアサイトは、削って高さをフロントサイトに合わせている
K.T.W.のM1873カービンは狙ったところより、やや上にBB弾が飛んでいくクセがある。サバゲでは問題ないレベルだが、正確な照準が求められるシューティングマッチなどではターゲットの少し下を狙わないといけなくなるので、少々使いにくい(M1873ライフルだと狙いはドンピシャで問題なし)。これはフロントサイトの高さが不足、もしくはリアサイトが高すぎるのが原因だ。そこで私は以前からいくつかの方法でサイトの高さ調整をしてきたが、今やっているベストな方法が、リアサイトの高さを写真のようにヤスリで削って低くする方法だ。写真の低い方が加工済のサイトで高さは3mmちょっと。これでカービンも狙いはドンピシャになる。加工は大きめの平ヤスリと、小さめの三角の棒ヤスリを使う。平ヤスリで少しずつ平らに削りながら、中央のVノッチの溝も三角の棒ヤスリで削っていく。削ったらペーパーで磨いて、黒染め液で再仕上げだ。簡単でとても有効なので、皆さんもぜひお試しいただきたい
M1873のランダルとカービンでは、ホップ調整をするためには先台のリングのネジを2本外して、リングをズラさなければならない。これでは面倒なので、リングの上部にドリル(ピンバイス)と丸棒ヤスリでバレルのホップ調整ネジの穴が見えるように加工した。この加工も簡単なのでオススメだが、先台の作りにややバラつきがあるようで、例えば樹脂製と木製でリングが留まる位置が微妙に異なるのだ。なので、ストックを樹脂製から木製へ変更する予定なら、木製へ交換してから、この加工を行ったほうがよい
このランダル用のガンベルトは、私が34年ほど前に東京 中野にあったモデルガンショップのMGTS商店で購入したものだ。当時すでに廃業していた東京CMC製のガンベルトの流れを汲むもので、私が初めて買ったコルトSAA用の早撃ち用ガンベルトの1挺用、2挺用に続き、3本目となるガンベルトだ。この時のランダルはMGCのモデルガン。当時のMGTSは簡単な特注が可能であったため、私は3本目にして早くも好みのデザインでランダル用を発注した。標準のランダル用は写真のようにSAA用と同様に腰に巻くタイプであったが、ウエストに近いパンツベルトの位置でも巻けるようにサイズ(ベルトの長さ)に幅を持たせて作ってもらった。つまり、これ1本で『拳銃無宿』のマックイーンのような吊り方もできるし、腰の位置、例えば映画『ウエスタン』(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト)の冒頭シーンのウッディ・ストロードのように吊ったりすることが可能なのだ。当然ながらK.T.W.のランダルGASモデルで遊ぶ時は、このガンベルトも一緒だ
K.T.W.
ウインチェスターM1873ライフル(エアコッキング式)
ヴァーニアタンサイト・スナイパーカスタム
ラピッドファイアカスタムのカービンモデルとの比較のために、愛用のM1873ライフルの1挺もご紹介。2014年5月のM1873ライフルの発売以来、私がずっとサバゲで愛用しているのが、この銃だ。私が所持している実銃(猟銃)のイタリア ウベルティ製のウインチェスター モデル1876用にいくつか取り寄せて、結局、使わなかったオプションサイト(マイクロサイト)を搭載した狙撃仕様だ。オリジナルのウインチェスター モデル1873の特別注文のカスタムライフルをイメージして、先台・元台には滑り止めのチェッカリングを加工してもらった。安定のエアコッキング式で実射性能に不満はないため、この銃は今後もエアコキのまま使う
K.T.W.
ウインチェスターM1873カービン(GASコンバージョンキット組み込み済)
ショートストローク・ラピッドファイアカスタム
2024年発売の前回ロットのGASコンバージョンキット(改良前)を組み込んで、早速カスタムして完成させたのが、このラピッドファイアカスタムだ。一見では普通のカービンモデルと変わらないが、レバーをショートストローク化してあり、アメリカのカウボーイアクションシューティングでやっているような高速サイクルの連射が可能だ。これこそが、私が長年夢にみたウインチェスター モデル1873だ。より高性能を目指して、後日、ガスコンキットを改良型に交換しようと考えている
レバーを起こした時の角度にご注目いただきたい。左の写真がノーマルのレバーをコッキングした時のものだ。それに対して右の写真はレバーがショートストローク化され、浅い角度でコッキングできるようになっている。ガスガン化によりレバーも軽くなっているため、これでようやくアメリカのカウボーイアクションシューティングみたいなラピッドファイアができるようになったのだ。詳しく説明すると、カスタムしたところは3つ。まずはレバーのショートスローク化と、トリガーのプルを軽くしたのと、内部を磨いてアクションをスムーズにしたことだ
レバーのショートストローク化は、実は簡単に加工できる。分解して、スライドブロックの左右のバーの間に写真のように5mm角の棒を挟むだけ。この加工は私のウエスタンの後輩の龍語りの春兎(ハルト)さんが考え出した方法だ。とりあえず試すならプラの角棒をガムテープで固定するのでもよい。私はラピッドファイアの激しいアクションに耐えられるようにアルミの角棒をスクリュー2本で固定した。春兎さんは、この他にもウエスタン系トイガンのカスタム等について楽しい話題のブログを公開している
ガジェットとホビーのブログ:https://haruto357.blog.jp/
実は、アメリカのカウボーイアクションシューティングでのレバーのショートストローク化にもルールがあって、すべてのレバーアクションライフルのレバーは決められた以上の角度で開かなければならないのだ。それは「まずレバーを閉じた状態で、トリガーの根元の後端から3インチ(約76.20mm)のところでレシーバー底面とレバーの上に印を付ける。次にレバーを最大限に開いて、その印の距離が4-1/8インチ(約104.78mm)以上となるように開くこと」というものだ。私はチートな競技銃は使いたくないので、きちんと本場のルールに準拠させた。先ほど説明したアルミの角棒の長さは21.4mm以下となるだろう。ちなみにショートストロークにすると閉じたダストカバーは最後まで開かなくなるが、そこは気にしない
K.T.W.のM1873はトリガーのプルが、ちょっと引っかかりがあるような感触で、やや重めだ。また長く使っているうちにトリガーが必要以上に突出してくる場合がある。そこで私は写真のようにドリル(ピンバイス)で穴をあけて直径2mmのピンを打ち込んでいる。これによって突出が防止でき、短く軽めのプルでトリガーを引くことができる。これはガス・エアコッキングともに有効なので、ぜひお試しいただきたい
ショートストロークカスタムでのラピッドファイアの撃ち方をご紹介。せっかく作ったショートストロークカスタムも、実は撃ち方(レバーの起こし方)を変えなければ、超高速では連射できない
通常であれば(右利きの場合で説明すると)写真のようにレバーは右腕全体を使ってレバーを起こす。そしてレバーを閉じてトリガーを引く。エアコッキング式だとレバーは重いが、私は長年の愛用で完全に使い慣れてしまったため、重さはまったく問題にならない。素早く連射するコツは、レバーの円軌道に合わせて腕を動かすのではなく、前方のやや下に向かって右手をパンチするような要領でレバーを起こすのだ。その際、レバーを閉じた時に人差し指をトリガーに挟まないように、まっすぐ伸ばすことが大事だ
ショートストロークカスタムでの高速ラピッドファイアのやり方は、いくつかあるようだが、その一例をご紹介。レバーを腕で操作するのではなく、右手のグー・パーの開きだけでレバーを起こす方法がある。まずは、しっかり狙いをつけた状態で、右手を添えるようにして中指から小指をレバーに入れる。次に右手を開いてレバーを起こす。その際、人差し指はレバーの内側に入れておくカウボーイアクションシューターが多いようだ(写真の私は長年のクセで人差し指を伸ばしてしまっている)。レバーを起こし切ったら右手を閉じてレバーを戻すが、レバーを閉じ切った瞬間に人差し指で一緒にトリガーも引いてしまう。こんな感じの撃ち方なのでラピッドファイアも、きちんと練習を繰り返してその動きを身に付けておかないと素早い連射どころか、人差し指を挟んで痛い思いをすることになってしまうので注意だ。私はラピッドファイアにもだいぶ慣れてきたが(超楽しい!!)競技などの本番では、つい長年のクセが出てしまい、いつものレバー操作をやってしまうことが少なくない。このカスタムガンのポテンシャルを100%発揮できるように、もっと使い込んでいきたい(ちなみにショートストロークにすると、スピンコックは難しくなる)
K.T.W. 和智社長もオススメのお手軽カスタム
ウインチェスターM1873 トラッパーカービン
最後にランダルでオススメの簡単カスタムをご紹介。ウインチェスターでスペシャルショートカービンと呼ばれ、トラッパーカービンやベビーカービンの愛称で親しまれたレアなショートバレル仕様のモデル1873、1892、1894が実在する。バレルの長さには数種類あるが、最も短いバレル長としては12インチがあったようだ。映画『ラスト サムライ』ではトム・クルーズがラージループレバーのトラッパーカービンのモデル1873をスピンコックするシーンが出てくる。K.T.W.のランダルはリアストックを元の長さのストックへ交換するだけでトラッパーカービン風にすることができるので、別売のカービン木製ストックセットを購入すれば、1挺で2挺分、楽しめるようになる
ランダルのトラッパーカービン化は、エアコッキング式で密かに人気のお手軽カスタムで、すでにやっている人も少なくない。そしてランダルのスペアマガジンは写真のとおりSAA用のガンベルトのカートループにも挿せるので、トラッパーカービンは取り回しのよいショートライフルとしてサバゲでも活躍が期待できる
K.T.W.のM1873カービンのストック(元台)は、ライフル仕様となっている。これを取り付けてもよいのだが、私の場合、MGCのM1873モデルガンのカービン仕様の木製ストックを流用している。基本的にはそのまま取り付けられるのだが、少しキツイので、確か木製ストックの取り付け部分の溝の内側を、平刃の彫刻刀か紙ヤスリで少し削った記憶がある。いずれにしろ取り付けは簡単だ
▲超オススメのK.T.W.のM1873が、ガスガンという選択肢が増えたことで、さらにオススメ度が増した。みなさんにもこの楽しさを味わってほしいが、何より私自身が本当に楽しくて、次のイベントが待ちきれない。K.T.W.さん、素晴らしい製品を本当にありがとう!!
この記事は月刊アームズマガジン2026年10月号に掲載されたものです。
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