2026/08/11
実銃のショットガンを知ってトイガンを楽しむ「ショットガン基礎知識」
いまさら聞けない「ショットガンの基礎知識」を完全網羅!
銃は大別すると、ピストル、ライフル、ショットガン( 散弾銃)となる。しかし、ショットガン系のトイガンはあまり多くはないからか、実銃のショットガンが本誌で採り上げられる機会は少ない。そのため、「ショットガンってどんな銃なのか?」という基本的なことが意外と理解されていない可能性がある。そこで、トイガンを楽しむ上で知っておいた方が良いと思われる、ショットガンについての基礎的な情報をここにまとめてみた。
ヒストリー
前装銃が発明された当初から、1発の弾丸ではなく、複数の飛翔体を銃に詰めて同時に発射することは可能だった。その頃の銃は銃身内にライフリングが刻まれていない滑腔銃であったからだ。但し、当時の軍用銃であるマスケットでは、そのような撃ち方はほとんどおこなわれず、あくまでも一発弾が主流だった。
しかし、銃身の内径を広げていけば多数の飛翔体(散弾)を同時に飛ばすことが可能であり、そうすれば空を飛んでいる鳥を撃ち獲り、食料にできる。それが形になったのは16世紀のことで、このスタイルの銃はfowling piece(フォウリングピース:鳥撃ち銃)と呼ばれるようになった。
やがて、ある程度大きな弾丸を複数個同時に撃ち出せば、散弾は実戦でも有効なことに気付く。そうした銃に対し、shotgun(ショットガン)という呼称が初めて用いられたのは1776年で、アメリカ独立戦争(1775-1783)の中でのことだった。
フォウリングピースやショットガンには長い銃身が装着されていたが、これを思い切り短くしたものが18世紀の初めに登場したBlunderbuss(ブランダバス)だ。銃口部は散弾を素早く装填できるように大きく広がっている。これによって撃ち出された散弾は、すぐに広がってしまうが、ブランダバスは近接戦闘を想定したものなので問題はない。
19世紀に入るとライフリングバレルが主流となり、さらに後装式が誕生、撃発方式もパーカッションとなっていく。そして19世紀半ば以降には金属薬莢が普及し、連発銃の時代が見え始めた。しかし、ライフリングバレルは散弾には向かない。これで散弾を撃つとパターンが中空のドーナッツ状になってしまう。その結果、ライフルとショットガンは明確に別の銃として扱われるようになった。
ヨーロッパではショットガンは狩猟、およびスポーツ用として普及していき、戦場ではあまり使われなくなっていく。一方、アメリカではショットガンが実戦でも使用され続けた。但し、ショットガンは使用する弾薬の大きさと発生する圧力がまったく違う。そのため銃としてのデザインもライフルとはだいぶ異なり、独自の発展の道を歩み始めた。これ以降の事はショットガンの種類別の中で解説したい。
装弾と口径
ショットガンの多くは12ゲージ(gauge:GA)だ。ゲージは日本語では“番径”と呼ばれる。この数字が大きい方が口径は小さくなる。12GAの口径は1/12ポンド( 約37.8g)の鉛球の直径と同じで、18.5mm(0.729インチ)だ。20GAの口径は1/20ポンド(約22.7g)の鉛球の直径と同じで15.6mm(0.615インチ)となる。
ちなみに1GAの口径は、1ポンド(約453.6g)の鉛球の直径で42.4mm(1.669インチ)だ。こんな大口径のショットガンは現在では使われないが、19世紀から20世紀の初頭ではPunt Gun(パントガン)と呼ばれて存在していた。小型ボートに装着し、1発で大量の水鳥を撃ち獲るという形で使用されたのだが、乱獲になるとして、1918年に規制された。
ショットガンの口径はこの12GAと20GAが主流で、海外には10GA、16GA、28GAなどもある(10GAの銃は生産終了)。
これらとは全く別の規格が.410(日本では“ヨントー”と呼称する)だ。これは口径0.410インチ(10.4mm)で、ゲージ表記にすると67.5GAとなる。
ショットガンの装弾は、これらの規格に合わせたものがほとんどで、それぞれに散弾、またはスラッグ弾(1発弾)が詰め込まれている。
散弾(ペレット、またはショット)には様々な種類があり、それを表にしてみた。
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スモールショットはバードショットとも呼ばれ、鳥撃ちに使用される。そしてスモールショットのNo.7-1/2(日本では7.5号、通常ナナハンと呼称される)は、ISSF(国際射撃スポーツ連盟)トラップ射撃競技における指定弾だ。
またNo.9(日本では9号と呼称)は日本のスキート射撃場のほとんどが安全上9号を使用することを指定している。径が小さいショットは飛距離が短いからだ。
バックショットは中型獣以上のハンティングに用いる散弾で、対人戦闘に使う場合は00バック(ダブルオーバック)、または000バック(トリプルオーバック)が効果的だ。
中型獣以上のハンティングにバードショットを使用しても、ケガを負わせるだけで、鹿の場合は走って逃げられる。それでは動物に対する単なる虐待だ。熊が相手だと怒らせて反撃を喰らうだろう。対人用としてバードショットを使った場合、大怪我を負わせることはできても無力化できない可能性が高い(但し、近距離なら死に至る)。従って法執行機関が対人用としてスモールショットを使うことはほとんど無い。とはいえ、スモールショットといえども、最大到達距離は300mを超えるため、射撃方向は常に注意が必要だ。
12GA、20GA、.410は径が違うため、ショットシェル(装弾そのものをショットシェルと呼称する場合が多い)内部に詰めることができる散弾の個数が違ってくる。散弾の個数は弾幕の密度に大きく影響するため、.410→20GA→12GAの順に優位性が上る。
ショットシェルには長さの規格もある。一般的なショットシェルは2-3/4インチ(70mm)だ。1923年にウィンチェスターが作った3インチショットシェルは、3インチマグナムとも呼ばれている。さらに1988年にフェデラルとモスバーグが共同で開発した3.5インチのスーパーマグナムもある。ちなみにこの長さとは、ショットシェル発射後のクリンプ(散弾がこぼれないようにシェルの先端を内側に折り畳むこと)が開いた状態の長さだ。
当然、ショットシェルが長くなれば、より多くの散弾と発射火薬をセットすることでできるため、パターン密度や弾速に変化が出てくる。但し、必ずしも長いショットシェルが有利になるとは限らない。
スラッグ弾
ショットガンは“スラッグ”という1発弾も射撃できる。12GAの場合は、.73口径、20GAでは.62口径という大口径重量弾を撃つ銃になるわけで、これは強烈なパワーがある。巨大なグリズリーベアも倒せるかもしれない。
但し、ライフリングの無いスムースボアのショットガンから撃つため、距離が離れると精度が得にくいという問題がある。スラッグ弾は、“Rifled Slug”(ライフルドスラッグ:別名フォスタースラッグ)と“Brenneke Slug”(ブレネケスラッグ)の2種類が主流だ。ライフルドスラッグは底部が深いホローベースとなっており、これによって弾頭部が重くなり、飛翔中の安定が得られるという利点がある。一方、ブレネケはソリッドタイプの弾頭で、その底部にはプラスチック製などのワッドが付いたまま飛行し、これがスタビライザーのように機能して弾道を安定させるというものだ。またこの2種類の特徴を兼ね備えたハイブリッドスラッグも存在する。
これらとは別にSabot Slug(サボスラッグ)というものもある。これは普通のショットガンではなくて、銃腔内にライフリングが刻まれているライフルドスラッグ ショットガンで使用されるものだ。サボと呼ばれるブラスチック製のカバーにスラッグ弾が包まれていて、発射するとこのサボがライフリングに食い込んでバレル内を移動、これによってスラッグ弾に回転を与え、銃口から飛び出すとサボが分離、スラッグ弾はジャイロ効果で安定した弾道を描く。これは通常(滑腔銃身)のショットガンでは得られない150m以上で高い精度を持つという利点がある。その反面、ライフリングがあるため、通常の散弾を撃ってもパターンがドーナッツ状に広がってしまう。したがってこのライフルドスラッグ ショットガンはサボスラッグ弾(日本では“サボット”と発音する)専用というべきものだ。
日本ではこのライフリングが銃身長の1/2までの銃は通常のショットガンと同列に扱われていたが、2025年3月より、“特定ライフル銃”として新規の所持許可要件がライフルと同じ扱いになった(特例処置あり)。
ショットガンの種類
水平二連銃 Side by Side Shotgun
世界的に名高いインダストリアルデザイナー、
マーク・ニューソンが手掛けた12GAの水平二連銃
Image Courtesy of Fabbrica d’armi Pietro Beretta
18世紀半ばに2本の銃身を横に並べた連発銃が登場、19世紀にはこれがショットガンの分野で広く普及した。先込式銃の時代では、これが一番簡単に連発化できる方法だったからだ。しかし、軍用マスケットではこの形式の銃はほとんど作られていない。マスケットの場合、銃身が重いため、それを2本横に並べるととんでもなく重くなってしまう。従って銃身を2本並べた銃は、銃身の肉厚が薄く、2本並べても実用的な重さに留めることができるショットガンにほぼ限定した形式となった。
水平二連銃が作られた当初、その形式はフリントロックであり、2つの撃発装置が左右に並んでいた。その後、パーカッションが実用化し、2つのハンマーが装着されたものが作られるようになる。そして元込式と金属薬莢の時代となった(1860年代)後も、2つのハンマーが外装された形が、連発式ショットガンのスタンダードであった。このハンマー外装式の銃は、rabbit ear shotgun、日本では有鶏頭と呼ばれる。ハンマーが2つ並んだ形がウサギの耳やニワトリの頭部に似ているからだ。
20世紀初頭、このハンマーを小型化させて、レシーバー内に収めた水平二連銃が誕生した。銃をブレークオープンするとハンマーが連動してコックされる。水平二連銃はほぼその形のまま現在に至っているのが現状だ。
水平二連銃の利点は構造がシンプルで、軽量なことだろう。一方、強固なロックシステムにすることが難しいため、大量に撃つとガタが出やすい。また照準線と銃身軸線が僅かに異なること、パターンが左右のバレルで完全に一致しないことなどが欠点だといえる。
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上下二連銃 Over Under shotgun
オリンピック2020東京を記念して限定販売された上下二連銃
水平二連銃の欠点を解消すべく開発されたものが上下二連銃だ。現代の上下二連銃のルーツは、1909年にロンドンのBoss & Co.(ボス&カンパニー)でJohn Robertsonによって作られた。これを量産対応できるようにしたのがジョン・ブラウニングのスーパーポーズドで、ブラニングがその生涯で最後に設計、息子のヴァルが完成させた銃として知られている。1931年に発売された。
第二次大戦後、上下二連銃が量産されるようになり、世界中に普及、競技用ショットガンのディファクトスタンダードとなった。
上下二連銃は、照準軸線と銃身軸線が一致し、体感反動が軽減されることで二発目を安定的に射撃できる。また、銃の重量バランスを整えることで、移動標的を撃つ際に必要な銃のスイングが容易になる。さらに、より強固なロックシステムを組み込むことで、高い耐久性が得られる。これらが上下二連銃の利点だ。強いて欠点を挙げるとしたら、デザイン上2発しか装填できないことだろう。しかし、クレー射撃競技の場合、ルール上まったく欠点とはならない。
一見するとどれも似たように見える上下二連銃だが、最適なバランスを得られるよう設計するには高度な技術の積み重ねを必要とする。
ポンプアクション Pump Action Shotgun
耐腐食性をアップさせるために金属パーツを無電解ニッケルメッキしたレミントン870バリエーション
ブリーチローディング(後装式)の実用化と、ショットシェルが一体化したことで、19世紀後半には1本の銃身でも連射ができるようになった。ショットシェルの装填、排莢を手動でおこなうポンプアクションレピーターの最初の実用モデルはスペンサー1882で、これに続いてブラウニング設計のウィンチェスター モデル1893が登場している。
マガジンはほとんどがチューブ型で、銃身下部に配置されており、フォアアームを後方に引く動きでここから1発の新しいショットシェルが引き出され、これをリフターでチェンバー後方にまで持ち上げる。同時にボルトのロックを解除し、撃発済みのショットシェルをエキストラクターが引き出し、排莢する。続いてフォアアームを前方に動かすと、新しいショットシェルがチェンバーに押し込まれ、ボルトがロックされる。
アメリカにおいてはポンプアクションが20世紀初頭から後半に至るまで、もっとも一般的なショットガン形式となり、多くのメーカーで製品化された。現在でもポンプアクションショットガンの需要は多いものの、こればかりが選ばれるわけではなくなっている。そしてレミントン870とモスバーグ500のシリーズが、同形式ショットガンの市場をほぼ席捲している状態だ。
一方、ヨーロッパではポンプアクションはまったく普及しなかった。製造しているメーカーはあるが、アメリカ市場向けがほとんどとなっている。
セミオートマチック Semi-automatic Shotgun
Jesse Allen Brileyによって1976年に創業したブライリーカスタムが手掛けたベネリM2の3-Gunマッチカスタム
ショットガンに使用するショットシェルは、1発弾であるスラッグから数個の鉛弾を撃つバックショット、数百個のペレットを撃つバードショットまで多彩だ。チェンバー内で発生する発射ガス圧は一定ではない。そのためショットガンの自動装填機構を開発することは容易ではなかった。
それでも1902年にブラウニングが設計したFN Auto 5(オートファイブ)が登場している(設計完了は1898年)。但し、これはバレルとボルトが後方に約75mmも後退し、その後、バレルが先に前進して排莢、その後にボルトが前進して次弾の装填をおこなうロングリコイル方式だった。
ガスオペレーションショットガンは、ハイスタンダードが製造したモデル60、レミントンのモデル58が1955年に登場した。発射ガスの一部をバレルに開けたガスポートから取り出し、これでピストンを作動させ、ボルトのロックを解除し、ボルトを前後動させるもので、通常のセミオートライフルと同じ仕組みだ。但し、ショットガンの場合は、使用するショットシェルが低圧だと正常に作動しない場合がある。これがある程度解決したのは、近年のことだ。比較的新しいセミオートショットガンは、幅広いショットシェルで安定的な作動を実現している。
ガスオペレーションではない、イナーシャドリブンと呼ばれる慣性作動方式のセミオートショットガンもある。1967年にブルーノ・チボラーニが開発したセミオートメカで、射撃時に発生するリコイルと慣性を利用、強力なスプリングを内蔵したボルトと回転ボルトヘッドを巧みに用いて装填排莢をコントロールする方式だ。ベネリのほとんどのショットガンに組み込まれていて、パテントが消滅した現在、この作動方式をコピーしたショットガンも数多く作られている。
現在のセミオートショットガンは、ガスオペレーションか、イナーシャドリブンかのいずれかで作動するものがほとんどだが、例外的にローラーディレイドブローバックで作動するSRM 1216やロングリコイルオペレーションのCosmi(コスミ)セミオートマチックなどもある。
ミリタリーショットガン
19世紀後半以降、ショットガンが戦場で積極的に活用された事例は、ほとんどがアメリカ軍によるものだ。それ以外の国の軍隊では、少数が使われたケースもあるが、それは限定的なものでしかない。
米比戦争(1899-1902)とその後に長期にわたって続いたモロ族とのゲリラ戦において、アメリカ軍はウィンチェスターモデル1897ライオットガンを少数投入、至近距離戦闘に使用した。これは正式な配備ではなく、市販品を調達したもので、軍によるモデルナンバーは付けられていない。
第一次大戦でも、アメリカ派遣軍(AEF)はモデル1897ライアットガンに着剣アダプター付きヒートシールドを装着したショットガンを5,000挺配備したが、この時も軍のモデルナンバーは付けられれなかった。塹壕戦で広く活用したという説もあるが、「アメリカ軍がこの戦争にショットガンという非人道的な武器を投入した」というのは、ドイツ側のプロパガンダで、実戦に投入されたものはわずかでしかない。その時、トレンチ(塹壕)ガンという名前が広まった。
しかし第二次大戦では、多数のショットガンが使用されている。これは市販品の調達ではなく、アメリカ軍が軍用として発注したものだ。ウィンチェスターモデル12が約61,000挺、モデル1897が約25,000挺で、こちらのヒートシールドは第一次大戦時のものの改良型だ。これらにも軍独自のモデルナンバーは与えられていないが、それぞれM12、M97と呼ばれて運用された。他にもスティーブンスモデル520-30と620、Ithaca(イサカ)モデル37、レミントン31、Savage(サベージ)720などが使用されている。これらは主にアジア地域での近接戦闘、および基地警備用として活用された。
ベトナム戦争(1955-1975)では、イサカ37、スティーブンスM77E、ウィンチェスターモデル1200、レミントン870などが調達されて使用されている。この戦争にアメリカ軍は10万挺以上のショットガンを投入したらしい。ジャングル戦における近接戦闘にショットガンが有効だったからだ。
1987年、アメリカ軍における主力ショットガンはモスバーグ590A1に切り替わった。ここまでに登場した戦闘用ショットガンはすべてポンプアクションだったが、1999年にJoint Service Combat Shotgun(統合軍戦闘ショットガン:JSCS) M1014としてベネリM4が採用されている。M1014はショットガンに対して初めて付けられた軍独自の採用ナンバーであり、実戦に使用することを目的として、初めてアメリカ軍が採用したセミオートショットガンだ。
2000年頃にM26 MASS (Modular Accessory Shotgun System)の納入が始まった。これはかつてKnight’s Armament Company(ナイツアーマネント)が開発したMasterkey(マスターキー)システムを発展させたもので、M4カービンのバレル下部に装着できる小型12GAショットガンだ。開発はダットサイト等を
製造するC-More Systemsがおこなった。OOバックや暴徒鎮圧用の非致死性弾、さらにドアのヒンジを破壊するためのブリーチャープロジェクタイルなどを発射する。3連、または5連のボックスマガジンを使用し、左右どちらにも装着できるコッキングハンドルを手動で操作するものだ。
現在のアメリカ軍はモスバーグ590A1、M1014、M26 MASSを引き続き使用している。
タクティカルショットガン
法執行機関がショットガンを活用する事例も、長い間、アメリカにほぼ限定されていた。アメリカの警察官はポンプアクションレピーターを装備し、必要な時はこれを用いて武装した犯罪者を制圧する。これに対し、ヨーロッパの法執行機関ではショットガンが装備されることはほとんどなかった。しかし、1970年代になるとこの状態にも変化が出てくる。この時代、極左勢力によるテロ事件が西ヨーロッパで多発し、警察官の武装強化、並びに対テロ特殊部隊の創設が相次ぎ、その装備のひとつとして高機能なショットガンが必要とされた。
これを受けて、各メーカーはタクティカルショットガンの開発競争を展開、従来では考えられなかったアグレッシブなデザインのショットガンが数多く誕生する。その中の成功例がSPAS-12であり、ベネリM2、およびM3だ。
ヨーロッパではその後、タクティカルショットガンが特殊部隊に定着して、現在に至っている。一方アメリカでは、1986年のマイアミシュートアウト、ならびに1997年のノースハリウッドシュートアウトなど、重武装の犯罪者に対し、ショットガンを装備した警察官が圧倒される事件が発生、そのため法執行機関におけるショットガンの地位は急速に低下、代わりにアサルトライフルからフルオート機能を無くしたパトロールライフルが装備されるようになっている。
パターン
ショットガンは散弾銃であり、スラッグ弾を除けば、発射したペレットやバックショットが広がりながら飛んでいく。その広がった大きさがパターンであり、これがどのような広がり方をするかが重要なポイントだといえる。このパターンの大きさを決める要素は、主にバレルの長さと銃身に設けられた絞り(チョーク)の存在だ。
チョークは絞りが強い順に、フル、モディファイド、インプシリンダー、スキート、シリンダーとなる。細かく解説するとキリがないので、ここではシリンダーバレル(絞り無し)と00バックについてのみ解説したい。
一般的にシリンダーバレルで00バックを撃つと、概ね1ヤードで1インチ弱程度の割合でパターンが広がっていくといわれている。すなわち10mで28cm弱、15mで42cm弱、20mで56cm弱、30mで83cm弱というわけだが、実際にはもう少しタイトにまとまる。それでも00バックの実用限界は45m程度と考えるべきだろう。初速1,200fpsで撃ち出されたバックショット(.33口径、約54gr)が、45mでは850fps(86.7ft.lbs)程度まで低下するからだ。これは1発当たりのパワーでいえば25ACPで至近距離から撃たれた状態に近い。
Photos by Yasunari Akita
TEXT:Satoshi Matsuo
PHOTO:Yasunari Akita
この記事は月刊アームズマガジン2026年8月号に掲載されたものです。
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