エアガン

2026/07/09

オールド・モデルガン・アーカイブ:小さな.25口径の大きな世界【Part.1】

 

モデルガンの.25口径ポケットピストルの歴史は、MGCが1962年に発売したワルサーVP-IIに始まる。その後も何機種か.25口径ポケットピストルが発売されたものの、大きく話題になることはなかった。しかしプラスチックモデルガンが主流となった1982年、再び.25口径ポケットピストルが発売され、プチブームが起きた。

 

インターナショナルガンショップ

コルト・ポケット・モデル(1966年)

 

インターナショナルガンショップ製コルト・ポケット・モデル

 

本格ストライカー機構のリアル派!

 

 モデルガンが大人気となっていた1966年、インターナショナルガンショップが発売(製造は桜邦産業=後のコクサイ)したのがコルト・ポケット・モデル。前年にMGCがブローニング380を発売し大人気となっていたことから、ほぼ同じ構造を持つブローニング設計のポケットピストルをリアル路線で作ることになったらしい。
 しかしサイズは小さいものの、リアル路線のため大型拳銃とそれほど変わらない価格となってしまった。発売3カ月後には大幅に値下げされたものの、大きく注目されることはなかった。

 

 DATA 

主材質:亜鉛合金ダイカスト 、ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:ストライカー方式/ファイアリングブロック
作動方式:手動
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬
全長:116mm
重量:325g
口径:.25(6.35mm)
装弾数:6発+1(薬室内)
発売年:1966年
発売当時価格:3,500円(カートリッジ5発付き) ※発売3ヵ月後に2,500円に値下げ

 

※表面を白・黄・金色などに着色し、銃口を閉塞していれば所持可。
※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 


 

MGC

ベレッタ・ポケット(1968年)

 

MGC製ベレッタ・ポケット

 

指アクションで連射も可能な入門機!

 

 MGCは、最初の.25口径ポケットピストルだったワルサーVP-IIに続いて、金属製モデルガンが絶頂期にあった1968年に再び.25口径ポケットピストル、ベレッタ・ポケットを発売する。VP-II同様、架空のモデルだったが、ありそうな外観と連射も可能な指アクション、そして手頃な価格でヒットさせた。
 当時、モデルガンはよりリアル化し、模型としての完成度も高くなっていたが、一方で気軽に撃って遊べる入門機のようなモデルも求められていた。それに応えるのがベレッタ・ポケットだった。

 

 DATA 

主材質:亜鉛合金
撃発機構:装填衝撃発火方式
作動方式:指アクション
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬
全長:110mm
重量:290g
口径:.25(6.35mm)
装弾数:6発
発売年:1968年
発売当時価格:1,980円(本体のみ、カートリッジ別売)
オプション:カートッリッジ1箱(12発入り)200円

 

※表面を白・黄・金色などに着色し、銃口を閉塞していれば所持可。
※smG以前のものは販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 


 

コクサイ

コルト・ポケット.25オートマチック(1982年)

 

コクサイ製 コルト・ポケット.25 オートマチック ステンレスモデル

 

コクサイ製 コルト・ポケット.25オートマチック ブルーメタル・フィニッシュ

 

プラスチックで再びモデルガン化!

 

 プラスチック製モデルガンが主流となった1982年といえば、マルシンの革命的な発明であるプラグ・ファイヤーカートリッジ(PFC)方式ブローバックの大ヒットにより、各社がそれぞれ開発した閉鎖系のブローバック方式が出そろった年。この年、開放系のデトネーター方式ブローバックの開発者であるMGCも、ついに閉鎖系のCP方式ブローバックを開発、採用した。
 コクサイは1980年にウッズマン・マッチターゲットから導入した閉鎖系ブローバックのスピンジェットファイヤー方式を、続くブローニングM1910でも採用し、快調ブローバックとしてヒットさせていた。そこでオートマチック第3弾は、さらに小型なコルト・ポケット.25が選ばれた。メカニズムはほとんどブローニングM1910と同じであり、ブローバック化は難しくないだろうという読みもあったのだろう。
 ただモデルガンの場合、使用するキャップ火薬は大型銃用と同じものであり、小型のポケットピストルにはパワーがありすぎる。そこでコクサイは、新たに樹脂製のピストンを使うP.E.ピストン方式ブローバックを開発し、フレームに金属製のサブシャーシを設けることで耐久性もアップさせた。
 モデルガン化に当たって、アメリカにある実銃を取材しながら一部の仕様を変更したため、時代考証的な矛盾が生じてしまった。快調ブローバックで発火派には好評だったが、模型派・鑑賞派にはチグハグな仕様が引っかかって人気は今ひとつ。リアルな改訂版を望む声もあったものの、間もなくエアソフトガンブームがやって来て、それは実現しなかった。それどころか、これがコクサイ最後の新規設計オートマチック・モデルガンになった。さらに悪いことに、後の工場火災により金型が消失、再生産も叶わないことになってしまったのだった。

 

バレルは実際にバヨネット形式で固定され、手で回しやすくするため凹みが付けられている

 

エジェクションポート内に飛び出ているのがファイアリングブロックの打撃部。エジェクターとしても働く

 

ほぼ実銃どおりに再現されたメカニズム。マガジンが途中まで挿入されているので、マガジンセーフティが前進し解除されている

 

P.E.ピストン方式ブローバックのカートリッジ。キャップ火薬を叩くのは、バレル内の前撃針が担う

 

 DATA 

主材質:耐衝撃性ABS樹脂
撃発機構:ストライカー方式/ファイアリングブロック(サイドファイア)
作動方式:P.E.ピストン方式ブローバック
カートリッジ:クローズドタイプ、めっき仕上げ
使用火薬:コクサイ5mmキャップ(B)
全長:115mm
重量:230g
口径:.25(6.35mm)
装弾数:6発+1(薬室内)
発売年:1982年
発売当時価格:

 6,800円(ブルーメタル・フィニッシュ)、

 7,000円(ステンレスモデル)
付属品:ハンドピン、カートリッジ1箱(7発)、P.E.ピストン1シート(50発)、コクサイ5mmキャップ(B)1箱(120発)、綿棒2本、六角レンチ
オプション:カートリッジ1箱(7発)1,200円、P.E.ピストン1シート(50発)200円、専用サイレンサー1,000円、木製グリップ1,900円、パールグリップ2,900円

 

※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 


 

※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。

 

TEXT&PHOTO:くろがね ゆう

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年8月号に掲載されたものです。

 

※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×